サジーコラム
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疲労回復に役立つ食べ物・飲み物13選!疲れの原因別のおすすめも
栄養 健康 2025.12.30

「朝起きても疲れが抜けない」
「仕事中に集中力が続かない」
そんな慢性的な疲労に悩んでいませんか。
疲労回復には十分な休息が必要です。そのうえで、日々の食事から必要な栄養素をしっかり摂ることも欠かせません。
この記事では、疲労回復に役立つ栄養素と、それらを効率よく摂れるおすすめの食べ物や飲み物を紹介します。
疲れのタイプ別の対策も解説しますので、毎日の食生活に無理なく取り入れてみてください。
疲労回復に役立つ栄養素

疲労を回復させるためには、エネルギー源となる糖質やたんぱく質だけでなく、それらをエネルギーに変えるビタミンやミネラルが必要です。
糖質やたんぱく質は体をつくる材料やエネルギー源です。ビタミンやミネラルは、これらをエネルギーに変える働きを助けます。五大栄養素をバランスよく摂ることで、体のエネルギー代謝がスムーズに回転し、疲れにくい体づくりにつながります。
ここでは、疲労回復に深く関わる主要な栄養素とその働きを見ていきましょう。
たんぱく質
たんぱく質は、筋肉や臓器をはじめ、酵素やホルモン、抗体など体のさまざまな組織をつくる重要な栄養素です。不足すると新陳代謝が滞り、疲労を感じやすくなります。
また、たんぱく質に含まれるトリプトファンというアミノ酸は、精神の安定に関わるセロトニンの材料になります。セロトニンが不足すると気分が落ち込みやすくなるため、心の疲れを感じるときにもたんぱく質は欠かせません。
腎機能に不安がある方は、たんぱく質量について医師・管理栄養士に相談しましょう。健康な方でも多ければ多いほどよいわけではないため、バランス重視が基本です。
ブドウ糖
糖質(炭水化物)が分解されてできるブドウ糖は、脳の主要なエネルギー源です。脳は体重の約2% しかありませんが、全身で消費するエネルギーの約20% を使うとされています。そのため、ブドウ糖が不足すると集中力や思考力が落ち、脳が疲れたように感じやすくなります。
ブドウ糖を摂るときは、ビタミンB1も一緒に摂ると、エネルギーへの変換がスムーズになります。
ただし、ブドウ糖を一度に多く摂ると、血糖値が急に上がる血糖値スパイクを招き、かえって疲労感が増すことがあります。適量をこまめに摂ることを意識しましょう。
ビタミンB1
ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える代謝に欠かせない栄養素です。不足すると糖質の代謝が滞り、乳酸がたまりやすくなるため、疲労感やだるさにつながります。
ビタミンB1は水溶性で熱に弱く、調理で失われやすい性質があります。体内に蓄積しにくいため、一度に大量に摂るよりも、こまめに摂取することが大切です。
スープや鍋料理など汁ごと食べられる料理なら、溶け出したビタミンB1も無駄にしにくく、効率よく摂取できます。
また、玉ねぎやにんにくに含まれるアリシンと一緒に摂ると、ビタミンB1の吸収率が高まります。豚肉とにんにくの組み合わせが疲労回復によいとされるのは、この相乗効果があるためです。
ビタミンC
ビタミンCは、疲労の原因となる活性酸素を抑える抗酸化作用を持っています。さらに、鉄分の吸収を助けるため、貧血予防にも役立ちます。抗ストレスホルモンの合成にも欠かせないので、精神的な疲労やストレス対策にも有効です。
ビタミンCもビタミンB1と同じく水溶性で熱に弱い栄養素です。調理では水にさらしすぎないことや、加熱しすぎないことを意識しましょう。
また、ビタミンEと一緒に摂ると抗酸化作用が高まり、体を守る働きが期待できます。
マグネシウム
マグネシウムは、300種類以上 の酵素を働かせ、細胞のエネルギー生成に欠かせないミネラルです。不足するとエネルギー代謝が滞り、疲労感が出やすくなります。筋肉のけいれんが起こりやすくなることもあります。
豆類や海藻類、ナッツ類、全粒穀物などに多く含まれています。和食を中心にした食事を意識すると、マグネシウムを無理なく摂取しやすくなります。
鉄分
鉄分は、血液中のヘモグロビンを構成し、全身に酸素を運ぶ重要な役割を担います。不足すると酸素が十分に行き渡らず、貧血や倦怠感、息切れなどの症状が出やすくなります。とくに女性は月経によって鉄分を失いやすいため、意識して摂取する必要があります。
2025年に実施した独自のアンケート調査では、意識的に鉄分を摂取している人は約24%にとどまり、7割以上の人が十分な対策を取れていないという結果が出ています。鉄分不足のリスクを抱えながらも、具体的な対策に踏み出せていない人が多いことがうかがえます。
鉄分には、吸収率の高いヘム鉄と、吸収率の低い非ヘム鉄があります。ヘム鉄は肉や魚、レバーに多く含まれます。非ヘム鉄は野菜や穀類、豆類に多く含まれます。非ヘム鉄はビタミンCやたんぱく質と一緒に摂ると、吸収率が高まります。
一方で、緑茶や紅茶に含まれるタンニンは、鉄分の吸収を妨げる可能性があります。鉄不足が気になる方は、食事中〜直後の緑茶・紅茶は時間をずらすと安心です(タンニンが非ヘム鉄の吸収に影響することがあります)。
アスパラギン酸
アスパラギン酸は、新陳代謝を促し、スタミナ維持や疲労回復に役立つとされるアミノ酸です。アスパラガスや大豆、肉類などに含まれ、体のエネルギー生成をサポートします。
クエン酸
クエン酸は、糖質・脂質などのエネルギー産生に関わる仕組みを支える成分として知られています。運動や忙しい時のコンディション維持を意識する人に取り入れられています。
ここで出てくるTCA回路は、糖質や脂質、たんぱく質からエネルギーを作り出す仕組みです。クエン酸は、この流れが止まらないように支える役割を担っています。たとえば、工場のベルトコンベアが滞りなく動くように、流れを整えるイメージです。
クエン酸は、柑橘類や梅干し、酢など酸味のある食品に多く含まれています。疲れたときに酸っぱいものが食べたくなるのは、体がクエン酸を求めているサインかもしれません。
疲労回復におすすめの食べ物8選

疲労回復に役立つ栄養素がわかったところで、次はそれらを効率よく摂れる食べ物を紹介します。
どれも日々の食事に取り入れやすいものなので、できそうなものから試してみてください。
- 豚肉
- 鶏むね肉
- うなぎ
- かつお
- レバー
- 大豆食品
- 大和芋・山芋
- 果物
1.豚肉
豚肉は、食肉の中でもビタミンB1が豊富な食材です。糖質をエネルギーに変えるビタミンB1をしっかり摂れるため、疲労回復に役立ちます。
とくに、にんにくや玉ねぎに含まれるアリシンと組み合わせると、ビタミンB1の吸収が高まりやすくなります。豚キムチ鍋や豚肉のにんにく炒めなど、香味野菜と一緒に調理するメニューがおすすめです。
2.鶏むね肉
鶏むね肉には、イミダゾールジペプチドと呼ばれる抗酸化成分が多く含まれています。渡り鳥が長距離を飛び続けられる背景のひとつとして、この成分が挙げられることもあります。
一方で、体感にはある程度の時間がかかるとされています。イミダゾールジペプチドは、継続摂取で疲労感の低下が報告されており、2週間程度で変化を感じるケースもあります。即効性より習慣化がポイントです。
鶏むね肉は低カロリーで高たんぱくでもあります。健康を意識している方にとって、続けやすい食材といえるでしょう。
3.うなぎ
うなぎは、ビタミンB1やビタミンB2、ビタミンEなど、疲労回復に役立つ栄養素をバランスよく含む食材です。魚介類の中でもビタミンB1が豊富で、エネルギー不足による疲労感や倦怠感の予防に役立ちます。
古くから夏バテ対策として親しまれてきた背景があり「土用の丑の日」にうなぎを食べる習慣もそのひとつです。
栄養価が高いため、体力が落ちていると感じるときに取り入れたい食材といえるでしょう。
4.かつお
かつおは、良質なたんぱく質をはじめ、鉄分やイミダゾールジペプチド、DHAなど、疲労回復に役立つ栄養素を幅広く含む食材です。ビタミンB群も豊富で、糖質や脂質、たんぱく質をエネルギーに変える働きを支えます。
また、かつお出汁には精神的な疲労を和らげる可能性があるとされます。味噌汁などで日常的に取り入れると、食事の満足感も高まり、リラックスしやすくなるでしょう。
5.レバー
レバーは、吸収率の高いヘム鉄とビタミンB群をまとめて摂れる、効率的な疲労対策食材です。とくに豚レバーや鶏レバーは鉄分が多く、貧血予防や倦怠感の軽減に役立ちます。
さらに、ビタミンB2も含まれているため、脂質をエネルギーに変える働きも支えます。
6.大豆製品
豆腐や納豆、豆乳などの大豆製品は、消化がよく低脂質な植物性たんぱく質源です。疲れを感じているときの食事にも取り入れやすく、肉類に比べて胃腸への負担が少ない点が特徴です。食欲がないときでも食べやすいでしょう。
冷奴や納豆ご飯など、手軽に続けられるメニューが多いのも魅力です。
7.大和芋・山芋
大和芋や山芋は、昔から滋養がある食材として親しまれてきました。特徴的なぬめり成分のムチンは、たんぱく質の吸収を助ける働きがあるとされ、胃の粘膜を守る面でも役立つ可能性があります。
とろろご飯にしたり、すりおろして食べたりすると、食欲がないときでも口にしやすく、消化吸収もスムーズに進みます。
8.果物
果物は、クエン酸とビタミンCによる疲労物質の代謝を助ける働きと、糖質によるエネルギー補給の両方が期待できます。疲れを感じるときに取り入れやすい点も魅力です。
とくにレモンやオレンジ、グレープフルーツなどの柑橘類は、クエン酸とビタミンCが豊富です。キウイフルーツやイチゴもビタミンCを多く含むため、手軽に摂取できます。
農林水産省では、果物は1日200g (可食部)を目安に摂ることが健康づくりに役立つとしています。朝食やおやつに取り入れてみましょう。
出典:農林水産省「FACT BOOK 果物と健康 六訂版」(https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/engei/attach/pdf/iyfv-53.pdf)
疲労回復におすすめの飲み物

食事だけでなく、飲み物からも疲労回復に必要な栄養素を手軽に補えます。
ここでは、疲れたときに取り入れやすいおすすめの飲み物を紹介します。
- 甘酒
- フルーツジュース・野菜ジュース
- 麦茶
- 豆乳
- お酢ドリンク
1.甘酒
甘酒は「飲む点滴」とも呼ばれ、ビタミンB群やアミノ酸を含むため、全身の疲れが気になるときに役立つ飲み物です。米麹から作られる甘酒は、米のでんぷんを糖に変える糖化という仕組みで自然な甘さが生まれ、体に取り入れやすい点も特徴です。
甘酒は江戸時代から、夏のエネルギー補給として親しまれてきました。温かい甘酒が夏バテ対策の飲み物として広まり 、甘酒売りが街を歩いていたと伝えられています。
甘酒には、米麹から作るノンアルコールタイプと、酒粕から作るアルコールを含むタイプがあります。疲労回復を目的にするなら、米麹由来のノンアルコールタイプを選ぶとよいでしょう。
市販品を選ぶ際は、砂糖が多く使われていないものを意識すると、日々の飲み物として取り入れやすくなります。
2.フルーツジュース・野菜ジュース
フルーツジュースや野菜ジュースは、ビタミンB群やビタミンC、クエン酸を手軽に補える便利な飲み物です。忙しい朝や食欲がないときでも取り入れやすく、栄養を補給する助けになります。
ただし、市販品には糖分や塩分が多いものもあります。選ぶときは果汁100%など表示を確認し、飲みすぎには注意しましょう。
あくまで補助として活用し、ふだんの食事とのバランスを整えることが大切です。
3.麦茶
麦茶はノンカフェインのため、カフェインによる利尿作用を気にせず水分補給に取り入れやすい飲み物です。とくに現場作業やスポーツなど、汗をかきやすい場面で役立ちます。
また、麦茶にはカリウムやリン、ナトリウムなどのミネラルが含まれており、汗で失われやすい成分の補給を助けます。夏の定番飲料として長く親しまれてきたのは、こうした点も理由のひとつです。
体を冷やしすぎないよう、常温やホットで飲むのもよいでしょう。冷たい麦茶ばかり飲むと内臓が冷えて疲労感が強まることがあるため、季節や体調に合わせて温度を調整してください。
4.豆乳
豆乳は、植物性たんぱく質に加えて、ビタミンB群や鉄分も含むため、疲れが気になるときの栄養補給に役立ちます。牛乳が苦手な方や、脂質を控えたい方にも取り入れやすい飲み物です。
飲み慣れていない場合は、まず調整豆乳から試すと、無理なく続けやすくなります。
5.お酢ドリンク
お酢ドリンクは、クエン酸を含むため、疲労回復を意識したいときに取り入れやすい飲み物です。はちみつやフルーツを加えると酸味がやわらぎ、糖質も同時に補えるので、気分転換にも役立ちます。
市販品も種類が多いため、飲みやすい味を選ぶと続けやすいでしょう。
【疲れのタイプ別】おすすめの食べ物・飲み物
疲労には、全身疲労や季節性の疲労、筋肉疲労、精神疲労、脳疲労など、さまざまなタイプがあります。疲れ方に合わせて必要な栄養素や食べ物を選ぶと、より効率よく回復を目指せます。
日常的な全身疲労
日常的な全身疲労には、エネルギー代謝を支えるビタミンB1やクエン酸に加え、細胞の修復を助けるたんぱく質やイミダゾールジペプチドが役立ちます。
豚肉や鶏むね肉、果物の柑橘類を意識して摂りましょう。たとえば豚肉とにんにくの炒め物に、鶏むね肉のグリルを組み合わせ、食後に果物を添えると、無理なく栄養を補給できます。
季節性の疲労感
夏バテなど季節性の疲労感があるときは、胃腸の負担を減らし、消化吸収を助ける工夫が欠かせません。山芋やオクラなどのねばねばした食材は、食べやすさに加えて、胃の粘膜を守る働きも期待できます。
食欲が落ちているときは、辛味や酸味を適度に取り入れる方法もあります。キムチや唐辛子の辛味、柑橘類や酢の酸味は、口にしやすくするきっかけになります。生姜やみょうが、しそなどの香味野菜も、香りで食欲を後押ししてくれるでしょう。
一方で、冷たいものばかり摂ると胃腸が弱りやすくなります。温かいスープや味噌汁を1日1回 は取り入れてください。
温かい食事は内臓の働きを助け、栄養を取り込みやすい状態につなげます。
筋肉疲労
運動後の筋肉疲労には、損傷した筋肉の修復を助けるたんぱく質が欠かせません。納豆や豆腐などの大豆製品に加えて、ビタミンB1とアリシンを一緒に摂れる豚肉とにんにくの組み合わせも、疲労感の軽減に役立ちます。
運動後はなるべく早めに、糖質+たんぱく質を補給すると回復を助けます(目安として運動後30分以内など)。その後の食事でも継続して補うことが大切です。この時間帯は「ゴールデンタイム」と呼ばれ、栄養を取り込みやすいタイミングだといえます。
バナナと豆乳、おにぎりとゆで卵など、手軽に食べられる組み合わせを用意しておくと続けやすいでしょう。
また、BCAAは分岐鎖アミノ酸のことです。運動前や運動中に摂ると、筋肉の分解を抑える働きが期待でき、疲労の蓄積を和らげる助けになります。
精神疲労
精神疲労が続くときは、抗酸化ビタミンのビタミンAやビタミンC、ビタミンEに加えて、カルシウムも意識すると、イライラやストレスの緩和に役立ちます。緑黄色野菜や果物、ナッツ類、乳製品などを偏りなく取り入れましょう。
さらに、ビタミンB群も神経の働きを整えるうえで欠かせません。とくにビタミンB6はセロトニンの生成に関わるため、精神の安定を支えます。バナナやさつまいも、玄米などに多く含まれています。
また、温かいかつお出汁の味噌汁もおすすめです。出汁の香りとうま味が、気持ちを落ち着かせる助けになります。
忙しい日こそ、ゆっくり食事をする時間を確保してください。それが精神疲労の回復につながります。
脳疲労
脳疲労が気になるときは、脳のエネルギー源であるブドウ糖を適切に補給することが大切です。はちみつやドライフルーツなど、自然な甘みのあるものを選ぶと取り入れやすいでしょう。
また、青魚に含まれるDHAは、記憶力や判断力の維持に役立つとされています。さばやいわし、さんまなどを定期的に食べることで、脳の健康維持にもつながります。
まとめ
疲労回復には、ビタミンB1やビタミンC、鉄分、クエン酸など、さまざまな栄養素が関わっています。豚肉や鶏むね肉、果物、大豆製品など、日常的に手に入る食材をうまく組み合わせることで、疲れにくい体づくりにつながります。
また、疲れのタイプに応じて食べ物や飲み物を選ぶことも大切です。全身の疲れが続くときはビタミンB1とたんぱく質、季節性の疲れには胃腸を支える食材、筋肉の疲れにはたんぱく質、精神的な疲れには抗酸化ビタミン、脳の疲れにはブドウ糖とDHAを意識して摂りましょう。
バランスのよい食事と十分な休息を基本にしながら、自分に合う方法を選び、疲れに振り回されにくい毎日を目指しましょう。