
サジーコラム
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ダイエットに役立つ栄養は?簡単にできる食事方法も紹介
サジー 栄養 2024.11.27

ダイエットといえばまず食事制限が思い浮かびますが、ダイエット中に栄養が偏ると、かえって太りやすい体質になります。ダイエットに取り組むときは、代謝を上げるための栄養素をしっかり摂取して、栄養バランスが崩れないようにしましょう。
この記事では、ダイエットに欠かせない栄養素と、摂取に注意したい栄養素について解説しています。食事を摂るときに気をつけたいポイントもご紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
ダイエット時に摂りたい栄養素
ダイエットの基本は摂取カロリーが消費カロリーを下回るようにすることですが、体に必要な栄養が不足しないように、栄養バランスの整った食事を摂ることも大切です。ダイエット中にしっかり摂りたい栄養素と、その特徴をチェックしておきましょう。
タンパク質
タンパク質は筋肉を作る材料として重要なだけでなく、骨を形成する主要な成分でもあります。タンパク質の不足は筋肉量の低下につながり、筋肉量が少なくなると基礎代謝が落ちて、痩せにくくなることが分かっています。
ダイエット中はタンパク質を十分に摂取し、筋肉量を増やすことを心がけましょう。筋肉量が増えれば脂肪を燃焼しやすい体になり、ダイエットの効率を上げられます。タンパク質が多い食品は、肉や魚、卵、大豆製品などです。
とくに、鶏むね肉やササミ、白身魚、豆腐は脂質が少ないため、ダイエット時に適しています。
食物繊維
食物繊維は食べ物から摂取しても消化酵素で分解されず、腸まで届く物質です。食物繊維には、血糖値の上昇を抑えて肥満を防ぐ効果が期待できます。
食後に血糖値が上昇すると、血糖値を下げるためにインスリンが分泌され、インスリンは糖を中性脂肪に変えて体内に蓄えます。水に溶ける性質のある水溶性食物繊維の特徴は、食べ物から摂った糖の吸収を遅くし、血糖値の急上昇を抑えてインスリンによる中性脂肪の蓄積を防ぐことです。
また、水溶性食物繊維には、糖や脂質を吸着して体の外へ排出するはたらきもあります。摂りすぎて余った糖や脂質は中性脂肪として蓄えられますが、水溶性食物繊維を摂ると過剰な糖や脂質の排出が促され、肥満を抑制できるのです。
食物繊維のなかには水に溶けない不溶性食物繊維もあり、水分を吸収して便の体積を増し、腸の運動を活発にして便通をよくします。ダイエット中の食事制限によって便秘になると、胃腸の動きが低下して基礎代謝が落ちるといわれているため、食物繊維の便秘を防ぐ効果はダイエットに役立つといえるでしょう。
食物繊維は穀類や野菜、きのこ、豆類などさまざまな食品に含まれ、ひじきやきくらげ、干ししいたけ、切り干し大根といった食材に豊富です。
ビタミン
五大栄養素のひとつであるビタミンのなかでも、ビタミンB群は糖質、脂質、タンパク質の代謝に関わる栄養素のため、ダイエット中は積極的に摂りましょう。ビタミンB群にはB1、B2、B6、B12のほか、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビオチンが分類されます。
ビタミンB1を多く含む食材として、豚ヒレ肉や豚レバーが挙げられます。豚レバーには、ビタミンB2が豊富に含まれます。ナイアシンはたらこ、パントテン酸は鶏レバーなどに多く含まれる栄養素です。
また、ビタミンDもダイエット中にしっかり摂りたいビタミンです。ビタミンDはカルシウムの吸収を促進して骨を丈夫にする栄養素ですが、実はビタミンDが不足すると筋肉が弱くなって代謝が低下し、肥満になりやすいといわれています。
ダイエット時はサバやマグロ、サケ、卵黄、牛乳など、ビタミンDを多く含む食品も摂るとよいでしょう。
ミネラル
鉄分、カリウム、カルシウムなどのミネラルには、エネルギー代謝を助けるはたらきがあります。鉄分は、赤血球の材料になるとともに、代謝をアップさせるはたらきを持つ栄養素です。
体に吸収されやすいヘム鉄は、豚レバーや牡蠣、カツオ、シジミなどの動物性食品に多く含まれています。カリウムは、体内から塩分のもとになるナトリウムを排出することで、むくみを防ぐ栄養素です。
むくみによって直接的に脂肪が増えることはありませんが、むくんで血行不良になると代謝が低下するため、結果として太りやすくなります。カリウムを摂取できる食品は、刻み昆布やあんず、いちじく、さつまいも、大豆製品などです。
また、カルシウムは脂肪の代謝に関わっているとされ、カルシウムが不足すると体内に脂肪が蓄えられる可能性があります。ダイエット中は、カルシウムが豊富な牛乳や乳製品、大豆製品もしっかり摂りましょう。
ダイエットの際は注意が必要な栄養素
炭水化物と脂質は、タンパク質と並んで三大栄養素と呼ばれ、体を動かすためのエネルギー源として重要な役割を果たしています。しかし、ダイエットをおこなう際は、炭水化物と脂質の摂り方に気をつけることが必要です。
炭水化物
炭水化物は、体内でエネルギーとして使われる糖類と、消化吸収されない食物繊維の2つに分類されます。糖質が過剰になると、エネルギーとして消費されなかった分が中性脂肪となり、肥満につながるといわれています。
炭水化物やごはんや麺類、パンなどの主食に加えて、いも類や果物、砂糖に多く含まれる栄養素です。これらの食品を摂りすぎないように注意して、糖質を抑えましょう。
ただし、糖質は運動や脳に必要なエネルギーのため、過度に制限すると身体や脳のパフォーマンスに影響を及ぼします。糖質を完全にカットするのではなく、適量を摂ることを心がけてください。
脂質
脂質は太るというイメージを持たれがちですが、体のエネルギー源としてダイエット中も摂りたい栄養素です。脂質の摂り方のポイントは、ダイエットをサポートする良質な脂質を選ぶことです。
脂質には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。飽和脂肪酸は、揚げ物に使われる油やお菓子に使われる植物油脂、マーガリンなどに含まれる脂質で、体脂肪になりやすいのが特徴です。
それに対して、不飽和脂肪酸には、血中の中性脂肪を抑えるはたらきがあります。不飽和脂肪酸に該当するのは、青魚に含まれるDHA・EPAや、エゴマ油や亜麻仁油に含まれるα-リノレン酸などです。
ダイエット時は飽和脂肪酸を避け、不飽和脂肪酸を積極的に摂りましょう。
ダイエットに必要な栄養を上手に摂る方法
ダイエットで食事をコントロールするときは、過度な食事制限にならないように気をつけつつ、必要なエネルギーをしっかり摂取することが大切です。ダイエット中の食事のポイントについて、チェックしておきましょう。
絶食はNG
絶食すると摂取カロリーは抑えられますが、体に必要なエネルギーが不足することで飢餓状態になり、絶食後の食事からできるだけ多くのエネルギーを溜めようとします。そのため、脂肪が蓄積されて、逆に太りやすくなる可能性があるでしょう。
極端に食事量を減らすのではなく、摂取カロリーをコントロールしながら、1日3食の食事でバランスよく栄養素を摂るようにしましょう。
食べる順番を変える
食べ物は、最初に摂ったものから吸収率が上がります。そのため、糖質の多い主食を先に食べる習慣は、血糖値が上がりやすくなり、肥満につながる可能性があるでしょう。
食べるときの順番を工夫することで、血糖値の急上昇を抑えられます。食事は食物繊維の多い野菜類から食べ始め、その次にタンパク質を含む料理、最後に主食のごはんやパンなどを食べるようにしましょう。
無理なく続けられる方法を選ぶ
ダイエット中にお腹がすいて我慢するとストレスが溜まり、その反動で食事をたくさん食べてしまう場合があります。食べすぎはダイエットに悪影響を及ぼしますが、摂取カロリーを意識して適度な間食を摂ることは問題ありません。
間食からの摂取カロリーは1日200kcal程度が目安 といわれています。お腹がすいたときは無理をせず、間食を摂って空腹感を落ち着かせましょう。ダイエット中の間食には、健康ドリンクもおすすめです。
まとめ
ダイエット中は、タンパク質や食物繊維、ビタミン、ミネラルなど体に必要な栄養を十分に摂りつつ、肥満につながりやすい糖質や脂質をしっかりコントロールしましょう。