
サジーコラム
Column
魅力を徹底解説!サジーベリーの知恵袋【根っこのひみつ編】
サジー 栄養 2025.08.22

果実や葉、棘、根――サジーベリーの一部一部には特別な役割があります。食用や健康素材として親しまれるだけでなく、砂漠化や土壌流出を防ぎ、さらに痩せた土地を肥沃に変える力を持つ植物です。今回は、その中でも大地を守り再生する「根っこ」の不思議に迫ります。
クモの巣のように広がるサジーベリーの根っこ!


砂漠地帯で力強く根を張るサジーベリーの木。
普通の植物は縦に深く根を伸ばしますが、サジーベリーは クモの巣のように横へ横へ と根を広げます。
そのおかげで広い範囲から必要な栄養を吸収でき、砂漠でもたくましく生き抜くことができます。
さらにこの根は、崖崩れや土壌の浸食を防ぐ働きも果たしています。
実際の調査では、サジーベリーの根は 横に10m以上、縦に5m に達し、草本植物の 3~5倍の砂を固定する力 を持つことがわかっています。
サジーベリー自身で肥料を作る力!

サジーベリーの根には放線菌「フランキア」が共生しています。
※フランキアとは、土壌にすむ微生物(放線菌)の一種で、空気中の窒素を取り込み植物に栄養を与える働きを持ちます。
フランキアは空気中の窒素を取り込み、植物が使える栄養(アンモニア化合体窒素)に変えることができます。
そのためサジーベリーは、やせた土地でも自分で“肥料”をつくり出して成長できるのです。
研究によると、サジーベリーは1ヘクタールあたり 年間180kgもの窒素を固定 しており、少しずつ土を豊かにしています。
さらに、この栄養はサジーベリー自身だけでなく、菌糸ネットワークを通じて周囲の植物にも分け与えられます。
つまりサジーベリーは「自分のために養分を蓄える」だけでなく、他の植物を助けながら森や群落全体を育てる存在なのです。
砂漠を緑に変えるサジーベリー

サジーベリーは「土を守る」「栄養をつくる」だけでなく、環境全体を再生する力を持っています。
根っこで砂を押さえ、フランキア菌と協力して土に栄養を与え、さらにその栄養をまわりの植物にも分け与える――。
こうしてサジーベリーのまわりから徐々に植物の種類が増え、やがて一つの豊かな群落(小さな森)が育っていきます。
サジーベリーは、荒れた大地にいち早く最初に芽を出し、緑を広げていく存在。
まっさらな土地に命のきっかけをつくり、少しずつ自然を元気にしてくれる頼もしい植物です。

今回はサジーベリーの根についてご紹介いたしました♪
砂漠化は国際的にも深刻な環境問題のひとつでもあります。
サジーワンでは、サジーベリーの植林活動も行いながら環境課題に取り組んでいます。