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立ちくらみの原因は?女性に多い貧血・更年期との関係や対処法を解説
栄養 健康 投稿日:2026.06.12 │最終更新日:2026.07.03

朝、布団から起き上がった瞬間にふらっとした経験はありませんか。または、座った姿勢から立ち上がった際に、目の前が暗くなってしばらく動けなくなった、という方もいるかもしれません。こうした「立ちくらみ」は、女性に多い不調のひとつです。
この記事では、40代前後の女性が気になりやすい立ちくらみの原因と、日常生活でできる予防・対処法を詳しく解説します。
女性の立ちくらみとは?めまいとの違いも解説
立ちくらみを「ただのめまい」と考え、そのままにしている方は少なくありません。しかし、立ちくらみとめまいは、起こる仕組みも原因も異なります。
まずは、それぞれの特徴を確認しておきましょう。
立ちくらみとは脳への血流が一時的に不足した状態
立ちくらみとは、急に立ち上がったときや長時間立ち続けた後に、視界が暗くなったり、ふらついたりする症状のことです。医学的には前失神と呼ばれることもあり、脳への血流が一時的に低下することで起こります。
座った状態や横になった状態から立ち上がると、重力の影響で血液が下半身にたまりやすくなります。通常は、体が変化をすばやく感知し、血管を収縮させ、脳への血流を保とうとします。
しかし、この調整が十分に行われないと、脳への血流が一時的に低下し、視界が暗くなる、ふわっとする、意識が遠のくように感じるといった症状が現れることがあります。
症状は数秒から数十秒ほどで落ち着くことが多いものの、頻繁に起こる場合や、実際に意識を失った場合は、早めに医療機関へ相談することが大切です。
めまいとの違い
立ちくらみとめまいは、似た感覚として表現されることがありますが、医学的には区別されます。
立ちくらみは、立ち上がったときに視界が暗くなる、ふわっとする、意識が遠のくように感じるといった症状が中心です。脳への血流が一時的に低下することで起こることがあります。
一方めまいは、自分や周囲がぐるぐる回っているように感じる回転性めまいや、足元が浮くような感覚、ふわふわする感覚などを指します。耳の内部にある三半規管や前庭の異常、脳や神経の病気などが背景にある場合もあります。
立ち上がったときに限って視界が暗くなる場合は立ちくらみの可能性があります。じっとしていても回転する感覚が続く場合や、強いふらつきがある場合は、めまいとして医療機関へ相談することを検討してください。
女性に立ちくらみが多い理由
立ちくらみは男性にも起こりますが、女性は月経やライフステージによる体調変化の影響を受けることがあります。
たとえば、月経による定期的な出血が続くと、ミネラルが不足しやすくなります。血液中のヘモグロビンが減少すると、酸素を運ぶ力が低下し、立ちくらみを感じやすくなることがあります。
また、女性ホルモンは月経周期、妊娠、出産、更年期などによって大きく変化します。こうした変化に伴って自律神経のバランスが乱れ、血圧の調整がうまくいかないこともあります。
筋肉量が少ない傾向にあることも、立ちくらみに関係する要素のひとつです。下半身の筋肉は、足にたまりやすい血液を心臓へ戻す働きに関わっています。そのため、運動不足や筋力低下が重なると、立ち上がったときにふらつきを感じやすくなる場合があります。

女性の立ちくらみの主な原因
立ちくらみの原因はひとつとは限りません。自分の体調や生活習慣と照らし合わせながら、考えられる要因を確認してみましょう。
貧血
女性の立ちくらみでよくみられる原因のひとつが、貧血です。
貧血とは、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンが少なくなった状態を指します。ヘモグロビンは、全身へ酸素を運ぶ役割を担っています。そのため、ヘモグロビンが不足すると、酸素を運ぶ力が低下し、ふらつきや疲れやすさなどを感じることがあります。
女性に多いとされるのが、ミネラル不足が関係するミネラル欠乏性貧血です。月経による出血が毎月続くことでミネラルが失われやすく、食事からの摂取量が不足すると貧血につながる場合があります。
立ちくらみのほかに、疲れやすい、顔色が悪く見える、爪が割れやすい、動悸や息切れがあるといった症状が重なる場合は、医療機関で検査を受けることを検討してください。
更年期によるホルモンバランスの変化
40代以降の女性では、更年期にともなうホルモンバランスの変化が立ちくらみに関係することがあります。
更年期には、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が大きく変動します。この変化にともない、自律神経のバランスが乱れ、血圧の調整が不安定になる場合があります。
その結果、立ち上がったときにふらつく、目の前が暗くなるといった症状が現れることがあります。
更年期による立ちくらみは、のぼせ、ほてり、発汗、動悸、不眠、気分の変化など、ほかの更年期症状と同時に現れることもあります。症状が続く場合や日常生活に支障がある場合は、婦人科などへ相談しましょう。
起立性低血圧
起立性低血圧とは、座っている状態や横になっている状態から立ち上がったときに、血圧が低下する状態です。
立ち上がると、重力の影響で血液が下半身に集まりやすくなります。通常は自律神経が働き、血管を収縮させることで脳への血流を保とうとします。
しかし、自律神経の働きが十分でない場合は、血圧の調整が間に合わず、脳への血流が一時的に不足して立ちくらみが起こることがあります。
起こりやすいタイミングとしては、朝の起床時、食後、入浴後などが挙げられます。自律神経の乱れ、脱水による血液量の低下、長期間の安静による筋力低下なども要因になることがあります。
神経調節性失神
神経調節性失神には、血管迷走神経反射によって起こるものがあります。痛みや強いストレス、長時間立ち続けることなどをきっかけに自律神経が反応し、血圧や脈拍が低下して、脳への血流が一時的に少なくなる状態です。
採血の際に気分が悪くなった、長い行列で立ち続けていたら倒れそうになったという経験がある場合は、神経調節性失神が関係している可能性があります。
立ちくらみ、冷や汗、吐き気、顔面蒼白などが現れることがあり、多くの場合は横になって安静にすると落ち着きます。ただし、失神を繰り返す場合や、転倒してけがをした場合は、医師に相談してください。
脱水や発汗
体内の水分が不足すると、循環する血液の量が減り、立ちくらみを感じやすくなることがあります。
夏の暑い時期や激しい運動後だけでなく、冬場も注意が必要です。暖房や乾燥した空気の影響で、気づかないうちに水分が失われることがあります。
また、コーヒーやアルコールを多く摂ると、尿として水分が排出されやすくなる場合もあります。のどの渇きを感じる前から、こまめに水分を補うことを意識しましょう。
ダイエットや栄養不足
食事を抜いたり、極端に食事量を減らしたりするダイエットも、立ちくらみの原因になることがあります。
食事量が少ない状態が続くと、エネルギー不足や低血糖につながり、ふらつきや冷や汗、集中しにくさなどを感じる場合があります。また、ミネラルやたんぱく質、ビタミン類などの不足が重なると、貧血のリスクも高まります。
体重管理をしたい場合も、食事を極端に減らすのではなく、必要な栄養素を確保しながら進めることが大切です。
疲労や睡眠不足
慢性的な疲労や睡眠不足も、立ちくらみを引き起こす要因のひとつです。
疲れがたまると自律神経のバランスが乱れやすくなり、血圧の調整が不安定になることがあります。睡眠不足が続く場合も、起床時にふらつきやすくなることがあります。
家事、育児、仕事などで忙しい時期に立ちくらみが増えたと感じる場合は、睡眠時間や休息の取り方を見直してみましょう。
立ちくらみが病気のサインである場合も
立ちくらみの多くは一時的な体調変化や生活習慣が関係しています。しかし、なかには病気が背景にある場合もあります。
様子を見てよいケースと、医療機関へ相談したほうがよいケースの目安を知っておきましょう。
受診を検討したい症状の特徴
以下のような症状がある場合や、立ちくらみを何度も繰り返す場合は、早めに医療機関へ相談してください。
- 胸の痛みや動悸、息切れをともなう
- 手足のしびれや麻痺がある
- 実際に意識を失い、倒れた
- 2週間以上、立ちくらみが繰り返し続いている
- 突然、非常に強い頭痛が起こった
- 運動中や安静にしているときにも失神や強いふらつきが起こる
はじめは、かかりつけの内科へ相談するのがよいでしょう。症状に応じて、循環器内科、神経内科、婦人科、耳鼻咽喉科などを紹介してもらえる場合があります。
心原性失神
心原性失神とは、不整脈、弁膜症、心筋症などの心臓の病気によって脳への血流が低下し、失神や立ちくらみが起こる状態です。
頻度は高くありませんが、見逃さないことが重要です。前触れなく突然起こる、運動中に意識を失う、動悸や胸の痛みをともなうといった特徴がみられる場合は、速やかに循環器内科を受診してください。
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンが不足する甲状腺機能低下症も、立ちくらみの原因となることがあります。
むくみ、寒がり、体重増加、便秘、皮膚の乾燥、疲れやすさなどの症状が重なる場合は、甲状腺の検査について医療機関へ相談してみましょう。
副腎不全
副腎から分泌されるホルモンが不足する副腎不全では、血圧が低下しやすくなり、立ちくらみが現れることがあります。
強い倦怠感、食欲不振、体重減少、皮膚の色が濃くなったように見える変化など、複数の症状がある場合は、内科や内分泌内科への受診を検討してください。
糖尿病
糖尿病が進行すると、自律神経に影響が及ぶことがあります。その結果、立ち上がったときの血圧調整がうまくいかず、起立性低血圧による立ちくらみが起こる場合があります。
また、糖尿病の治療中は、薬の影響などで血糖値が下がりすぎることがあり、ふらつきや冷や汗、動悸などが現れる場合があります。糖尿病の治療中に立ちくらみが増えた場合は、自己判断で対応せず、担当医へ相談してください。

立ちくらみが起きたときの対処法
立ちくらみが起きたときは、転倒による二次的なけがを防ぐことを最優先にしましょう。症状に気づいたら、無理に動かず、次のように対応してください。
座る・横になる
立ちくらみを感じたら、すぐにその場に座るか、可能であれば横になってください。体を低くすることで、脳への血流が保たれやすくなります。
外出先などで座る場所がない場合は、しゃがんで頭を低くすることもひとつの方法です。立ったまま我慢すると転倒するおそれがあるため、無理に歩き続けないようにしましょう。
症状が落ち着いた後も、急に立ち上がらず、時間をかけてゆっくり姿勢を戻してください。
深呼吸をする
座る、または横になった状態で、ゆっくりと呼吸を整えましょう。不安や緊張が強いときは、呼吸が浅くなり、症状を強く感じることがあります。
鼻からゆっくり息を吸い込み、口からゆっくり吐き出すことを繰り返すと、落ち着いて状態を確認しやすくなります。
症状が続く場合は医療機関を受診する
休んでも症状がなかなか落ち着かない場合や、立ちくらみを繰り返す場合は、医療機関を受診してください。
診察を受ける際は、いつ起こったか、どのくらい続いたか、どのような場面で起こりやすいか、ほかに気になる症状があるかをメモしておくと、医師へ伝えやすくなります。

立ちくらみを予防する方法
立ちくらみは、日常生活の工夫で予防につなげられる場合があります。水分補給、睡眠リズム、食事、適度な運動などを見直し、自分に取り入れやすい方法から始めてみましょう。
十分な水分補給を心がける
水分不足を防ぐために、のどが渇く前からこまめに水分を摂ることを意識しましょう。
1日に必要な水分量は、1.5〜2リットルといわれています。こまめに水を飲む習慣をつけることが、血液量を維持し、立ちくらみを防ぐことに役立ちます。
とくに意識したいのが、朝起きた直後の水分補給です。睡眠中は汗や呼吸によって水分が失われるため、起床後にコップ一杯程度の水を飲む習慣をつけるとよいでしょう。
コーヒーやアルコールは、摂る量によっては尿が出やすくなることがあります。水分補給の中心は、水や麦茶などにすることをおすすめします。
睡眠と生活リズムを整える
自律神経のバランスを保つためには、できるだけ規則正しい生活を心がけることが大切です。
毎日なるべく同じ時間に就寝・起床することで、生活リズムが整いやすくなります。睡眠時間を確保することに加え、寝る前にスマートフォンを見続けない、就寝前に強い光を避けるなど、眠りやすい環境をつくることも意識してみましょう。
朝は、目覚めてすぐに勢いよく立ち上がらないことも大切です。布団の中で手足をゆっくり動かし、一度座ってから立ち上がることで、急な血圧変化を避けやすくなります。
適度な運動を取り入れる
適度な運動は、下半身の筋肉を使う習慣づくりにつながります。
とくにふくらはぎの筋肉は、足にたまりやすい血液を心臓へ戻す働きに関わっています。ウォーキングや、かかとの上げ下げ運動など、日常生活に取り入れやすい運動から始めるとよいでしょう。
長時間同じ姿勢で座り続けることも避けたいポイントです。1時間に一度を目安に立ち上がり、足首を回す、軽く歩くなどの習慣をつけると、体を動かすきっかけになります。
まとめ
立ちくらみは女性に多くみられる不調のひとつで、貧血、更年期にともなうホルモンバランスの変化、起立性低血圧、脱水、栄養不足、疲労など、さまざまな要因が関係することがあります。
多くは一時的な体調変化によるものですが、繰り返す場合や、胸の痛み、動悸、意識消失、手足のしびれなどをともなう場合は、早めに医療機関へ相談してください。
日常では、水分をこまめに摂る、睡眠と生活リズムを整える、栄養バランスを意識した食事を心がける、適度に体を動かすといった習慣が大切です。
自分の体調に合った方法を無理なく続けながら、立ちくらみが起こりにくい生活を目指しましょう。